03

LIFE STYLE

“軽井沢発信”にこだわった本と雑貨のラインナップ!JR軽井沢駅徒歩10分。ブック & カフェ『軽井沢書店』

10月半ばを過ぎる頃から山々の樹々が一斉に色づき始め、雲場池や離山、ハルニレテラスなどでは紅葉のピークを迎える軽井沢。鮮やかな彩りに心躍る一方で、気温は朝晩ぐっと冷え込むようになり、あっという間に過ぎ去った秋のあとやってくる、厳しくも美しい冬の訪れを感じさせます。

今年は例年に比べ、厳冬になるとの予測もあるそうですが、軽井沢の人々はこうした秋・冬をどのように過ごしているのでしょう。四季折々の自然と共に、時に厳しさも美しさも感じながら暮らしを楽しむ。日々を豊かにしてくれる物を一つ挙げるとするなら、本もその一つではないでしょうか。秋・冬の夜長、温かい飲み物片手に読書するひと時。そんな今日のお供を探しに訪れたいのが、今回ご紹介する「軽井沢書店」です。

軽井沢駅から徒歩で約10分。蔦屋書店を手がけるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)が2018年5月に軽井沢に出店。今回、軽井沢書店 店長の村山覚さんにお話を伺いました。

―軽井沢書店ができた経緯をお伺いできますか?

軽井沢に唯一あった書店さんが撤退して3年。その間ずっと軽井沢町には書店がない状態が続いていました。それが今から2年前のことなんですが、「文化的な町である軽井沢に書店事業を中心としたエンタテインメント事業などのサービスを企画、新しいライフスタイルの提案を行う弊社で出来ることは何か」を突き詰めて、出店させていただきました。

軽井沢書店で、一番売れる本のジャンル、実は・・・○○本!

―お店に何度も足を運ばせていただいていますが、都会的で洗練されていて、かつちょっと見たことないマニアックなラインナップに出会えるのがとても魅力ですね。軽井沢書店は、他の地域との違いや特徴をどのように意識されていますか?

軽井沢の特徴として、大きく3つにお客様を分類できるかと思います。地元の方、別荘の方、そして観光客の方です。軽井沢は夏に大きな人口のピークが来ます。ですので、世間一般で売れる本というよりは、それぞれの方がそのタイミングでどんなものを求めているのか? を見極めながら、「軽井沢」を中心に添え、普通の書店とは違う“軽井沢の本屋”という部分を大事にしています。軽井沢在住の作家の本を集めたコーナー、軽井沢情報が載っているコーナーを大きく作っているのはそのためです。

▲軽井沢情報誌のほか、軽井沢にゆかりのある作家や軽井沢の歴史など、ここならではの本や雑誌が並ぶ

軽井沢書店では常時3〜4万冊の書籍を扱っていますが、書籍の中で一番売れるジャンルは何だと思いますか?

―なんでしょう……小説やビジネス書とか? もしくは、暮らしに関係する本とか?

実は、料理本なんです。軽井沢は有名なシェフの店、食にこだわりがあるお店が多いんです。そして美味しいものを食べにくるお客様がいます。それは観光客であり、別荘の方もいて、さらに地元の方もいます。

その中で、プロである料理人が読むような本から、主婦の方が読まれる家庭料理の本まで一緒に並べています。プロの方がオフや仕事後に本屋で次のネタを仕入れていたりする。食べる人・作る人・もてなす人。料理といっても様々な立場で関わっている人がいて、幅広い。ですので、それぞれの人に合わせた本を置いています。

―確かに、家庭料理に、おやつの本、お料理の専門書から、見ているだけでうっとりしてしまう美しい写真集のような本、テーブルセットの本……、マニアックでこんなテーマの本があったんだ! と思わず手にとってしまう本たちがずらりと並んでいますね。

本だけではない。”ありたい暮らし”の姿を感じられる雑貨もラインナップ

―書籍の間や、店内入ってすぐ目に留まる雑貨ブースで販売されている品々もとても魅力的ですね。

▲本の間で、ストーリーを感じさせる雑貨の数々

別荘の方は都内や関東からの方が多く、良いモノを見る目が肥えています。ですので、その方達を飽きさせないこと。地域人口自体は少ないですが、軽井沢の住民の方は皆様、感度が高いので私たちも日々勉強しています。お客様には、オススメの本や、雑貨、文具を頻繁に変えることで何回も来てもらえるように、雑貨類は平均約1ヶ月半という短期間で定期的に企画を打っています。

あとは、軽井沢で活動されている作家さんたちの商品をもっとご紹介していきたいと思っています。例えば今回展示している『RATTA RATTARR(ラッタラッタル)』さん。実は当時何の繋がりもない中で、私たちの方から飛び込み営業に行って、こうしたお付き合いが始まりました。

▲軽井沢にアトリエがあるRATTA RATTARR(ラッタラッタル)の商品が並ぶ

そして、雑貨展示の棚は全部で4ブースあるんですが、ラッタラッタルさんの商品や、ガラス食器、陶器、帽子やアクセサリー……。これを使ったらこんな生活ができますよ、とお客様がイメージができるような売場作りをしています。アンテナを張って常にお客様の求めているものを捉えながら、若手のスタッフの感性を信じて任せています。軽井沢のスタッフはみんな地元の人たちなんです。なので、ここに住む人の気持ちがわかる。得意なジャンルはその人に任せています。

私がここへ来た1年半前は”ザ・本屋”みたいなことをやろうとして、実は全然上手くいきませんでした(笑)。ここは普通の書店と違って店内にPOPとか貼られていないでしょう? 軽井沢書店は、銀座でもなければ、代官山でやっていることもできないけれど、軽井沢だからこそできることがある。2年経って、やっと少し見えてきたなぁ……そんな思いでいます。

実施したコロナ対策は、「対面式オペレーションの変更」と「商品ラインナップの見直し」

―コロナ禍で軽井沢町内のお店も大打撃だったことと想像しますが、ロックダウンした3月以降、軽井沢書店はどうされていたのですか?

マスクの着用・消毒液の設置を始め、営業時間の短縮、併設カフェ席の減数など、お客様とスタッフの感染拡大防止策を講じる中、おうちでの過ごし方として、今私たちは何を為すべきかを試行錯誤しながら営業を続けてきました。今、結果的に見れば開けていてよかったなと思います。何よりお客様に喜ばれましたし、なんとか今まで感染者を出さずに営業することができました。

―コロナ禍で今までと変えた部分はあったのでしょうか?

2点あります。1つ目は、すぐに対面式のオペレーションを変えました。上記の対策の他、人と接触せずに会計ができるようレジをタッチパネルへ変え、お客様と店員との間にシールドを設けました。

2つ目は書籍に関して。家で巣篭もりする方の消費動向を丁寧に追って、家でどんな本が読まれているのか、売り場をそこに合った品揃えにシフトしていきました。実物を見て選べて、すぐ持ち帰ることができるのがやはり実店舗の強みです。本を手に取り、中を見て、ああ面白そうだなって思って、買っていかれる。だから売れているもの、必要とされている本をしっかり追って品切れしないようにしました。

それから、ここでしか買えない物、軽井沢を舞台にした品揃えですね。例えば軽井沢の地元の新聞社さんが発行している書籍など、軽井沢ならではのものを切らさないように意識しています。蔦屋の店長はよく寿司の板前のような存在だと言われます。実物の商品を見て、「今日はこれだ」という、旬のいい物を仕入れるのが役目です。

―軽井沢書店様が提供しているものって、単に書籍とか雑貨という「モノ」にとどまらないような気がするのですが、ずばり、軽井沢書店はどんな価値を提供していると言えますか? 

日本は豊かな社会です。マズローの欲求五段階説でも言われている通り、衣食住・安心安全・社会的欲求・承認欲求が満たされた後、人が最終的に求めるのは「自己実現欲求」です。その「自己実現欲求に対する自分を表す生活提案をすること」が、私たちCCCの使命です。

“本×カフェ”のサードプレイス『MOTOTECA COFFE』の出店

店内にはモトテカコーヒー軽井沢(MOTOTECA COFFEE KARUIZAWA)さんによるカフェを併設しています。ここでは、コーヒーでも飲みながらゆっくりと本を選んでいただけるようになっています。軽井沢に住む人、やって来る人、全ての人がくつろぐ時間を提供したい、そう思っています。ランチ営業もありますし、店舗内Wi-fi環境も整えているのでテレワークをしたりと、様々なシーンでお使いいただけます。

今はあまり企画ができませんが、こちらのカフェを貸し切って様々なイベントも行ってきました。週末の夜にJAZZ のライブもやっていたんですよ。カフェのある書店。それは、家と会社(または学校)の間にあるサードプレイス……そんな場所でしょうか。軽井沢の人々に愛される、オンリーワンの街の本屋さんでありたいと思っています。

▲モトテカコーヒー軽井沢(MOTOTECA COFFEE KARUIZAWA)ランチのチキンカレーも絶品でした。

ー日々同じことが繰り返される日常の中で、行くたびに発見やときめきに出会える「軽井沢書店」。それは日々アンテナを高く張って情報を仕入れ、売り場をつくっている店長やスタッフの皆さんの努力の賜物でした。軽井沢は、大都市に比べれば当然お店の数は多くはありませんが、人が良くて、こうした上質な時間の流れる素敵なお店が数多く点在しています。「ちょっと本でも読みながらほっとしたいな」-そんな時は軽井沢書店に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

<軽井沢書店>
〒389-0102
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢(大字) 1323
TEL:0267-41-1331
アクセス:J R軽井沢駅 徒歩約10分
営業時間:9:00-21:00(水曜定休)/季節変動あり

Copyright GReeN SeeD Lab rights reserved