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LIFE STYLE

『EtonHouse 軽井沢 Learning Hub(イートンハウス軽井沢)』が2020年11月に開校!遊びの中で英語を学び、子どもの自己肯定感を育む

軽井沢移住を考える際、キーワードとして挙げられるのが「教育環境」。都会にはない自然環境でのびのびと子育てできることもあり、子どもが保育園や小学校に上がるタイミングでご家族で移住される方々が近年増えてきています。

軽井沢には、インターナショナルハイスクールのアイザックをはじめ、2020年開校の風越学園、探究学舎というように、子ども個々の能力や個性を尊重し協働しあう学びの場が次々と生まれているのはご存知ですか。「どんなふうに育てたいか」「どういう園や学校に通うのか」というのは、住む場所選びにも大きく関わってきます。

今回は、中軽井沢駅から南に徒歩で約18分。2020年11月に、かつて青山学院大学の寮だった建物をリノベーションし誕生した「EtonHouse 軽井沢(以降:イートンハウス 軽井沢)」をご紹介します。平日の夕方に英語をベースにした小学生向けAfter Schoolと、午前に大人向けの英語クラスを行っています。

EtonHouse Karuizawa Learning Hub(以降:イートンハウス軽井沢):1995年、シンガポールに初のプリスクールを創設。シンガポールをはじめ、香港、中国、インド、インドネシア、韓国、日本、マレーシア、中東などインターナショナルスクールとプリスクール、8つの国際バカロレア(IB)ワールドスクールを展開。

アジア圏を中心とした、世界各地に100校以上のインターナショナルスクールとプリスクール(保育園)を展開するイートンハウス。2010年に日本で初めてイートンハウス東京校(赤坂)を、昨年2校目となる軽井沢校を立ち上げた、イートンハウス ディレクターのアンリ・タンさんにお話を伺いました。



目指すのは「子どもの自信を育むこと」。遊びながら英語に触れられるAfter School

ここは英語の学校ではなく、遊びの中で英語に触れられるAfter Schoolです。英単語やセンテンスを覚えさせたり、英語を「教える」ものではなく「環境の一部」として捉えています。現在軽井沢のスタッフは、バイリンガルな日本人とネイティブが5名いるので、スクールの中では英語での会話がメインです。屋内や屋外で繰り広げられる遊びの中で、英語が自然と耳に入ってきます。

「間違っても大丈夫、Just try!(とにかくやってみよう!)」がモットー。イートンハウスの一番の目的は、知識や技能の習得そのものではなく、これらの活動を通して「子どもの自信を育むこと」にあります。現在開校から約4ヶ月。近隣の小学校から11名の子どもが通学していて、4月からは倍近くに増える予定です。子どもたちは下校後ランドセルのままここへやってきて、宿題がある子はこれを済ませ、みんなで今日やることをミーティングした後、外で遊んだりおやつを食べたり工作したりと自由に過ごしています。

午後3時半から4時くらいにかけて、続々と子どもたちが集まってきました。宿題を終え、今日は外で火起こしをしておやつのポップコーンを食べるそうです。まずは薪を割って……火を起こします。

何やら鳥の羽がむしり取られたように散乱している場所を発見!「What is this?」「なんだろう? どうしてここに?!」 不思議そうな子どもたち。

1月からは、週2回大人対象プログラムも始めました。軽井沢はホテルや観光業が多いので、英語のニーズがこども以上に大人にもあるのです。ピラティス、演劇(performing arts)、木版画をやりつつ、手や身体を動かしながら自然と英語を話せる場を提供しています。英語で話せなくてもとにかくやってみよう! と伝え、ジョークを言いあいながら楽しくレッスンしています。まずは楽しむことが大事。子どもと同じですね。遊びの中から学んでいきます。

お洒落な調理スペース。「今後はクッキングもやりたいですね」とアンリさん。



立ち上げのきっかけは軽井沢でのサマーキャンプ。自然の中で学ぶ素晴らしさを実感

イートンハウスを立ち上げたきっかけは息子の誕生です。当時家族で香港にいたのですが、教育環境を考えるとシンガポールか日本かということになりました。日本人の妻に相談したところ、私は英語・中国語・日本語のトリリンガルなので「日本にトリリンガルのインターナショナルスクールはないから作ったらどうか?」と妻が提案してきたのです。

それから教育のこと、マーケット等色々調べて、香港で一番有名なブランドであるイートンハウスのフランチャイズを日本で立ち上げることに決めました。イートンハウス初の日本法人「EtonHouse International Pre-school・Tokyo」を赤坂に立ち上げたのが、2010年、私が38歳の時です。

これまで教育とは全然違う世界にいましたが、教育のことを学ぶ中で、「子どもの脳は生後0歳から急激に成長し、6歳までの間におよそ9割ができあがる(Scammonの発達曲線)」ということに一番驚いたのです。子どもの成長スピードって大人と比べてものすごく早い。だからこそ、幼児期の育ちが大事だということに気付きました。イートンハウスのいいところは保育や教育を30〜40年やっているプロフェッショナルがたくさんいて、多くの研究データの蓄積があること。豊かなリソースにあります。

―今回、なぜ軽井沢で開校しようと思ったのですか?

きっかけは、軽井沢にあるインターナショナルハイスクール、UWC ISAK JAPAN(アイザック)代表の小林りんさんです。彼女とは友人でもあり、アイザックとイートンハウスはIB(バカロレア)*校ということで教育哲学が同じ。かつて彼女から、軽井沢にインターナショナルのプリスクールを作って欲しいと言う話があったのですが、その時はまだそうした教育ニーズがあるのかはわかりませんでした。

しかし、その時「ライジングフィールド軽井沢」というキャンプ場を紹介してもらい、実際に行ってみたら「こんな環境でスクールをやりたい!」と強く思ったんです。それから(2015年)軽井沢でサマーキャンプを毎年行うようになりました。

夏休み期間中、世界各地から親子が集まり、トータル9週間にも及ぶキャンププログラムを行いました。2019年は延べ150名もの方が参加し、なおかつ40名ものキャンセル待ちが出るほど。キャンプは今年もやりますよ!その時ですね。この軽井沢の自然と、自然の中で学ぶことの素晴らしさを実感し、サマーキャンプを通じて手応えを感じたのです。

*国際バカロレア(IB)とは(Wikipediaより)国際バカロレア(IB)は当初、世界各国から人が集まる国際的な機関や外交官の子供が母国での大学進学のため、様々な国の大学入試制度に対応し、1つの国の制度や内容に偏らない世界共通の大学入学資格及び成績証明書を与えるプログラムとして開発されました。その目的を、より良い平和な世界を築くために貢献する人材育成としており、その教育プログラムの特徴として「全人教育」を掲げています。国際バカロレアの教育方針として、理想の学習者像には、探究する人、知識のある人、考える人、コミュニケーションが出来る人、信念を持つ人、心を開く人、思いやりのある人、挑戦する人、バランスの取れた人、振り返りができる人の10個があります。



遊びが育む「コンセプトを理解する力」。遊びが学びの土台となり、放物線のような成長へ。

イートンハウス軽井沢ではスタッフ同士もどんなプログラムにするかオープンに話し合っています。

子どもの仕事は遊ぶことだと私は考えます。ですが、実際遊んでいる姿をみて不安になる保護者もいます。成果が出るまで待てず、結果をすぐ求めたくなる。そう思うのは当然のこと。だからこそ、学校をオープンにして子どもたちの様子を見せ、いつでもスタッフと話せる場を作り、親が学ぶ場を作り伝えています。

ある、シンガポールの保護者のお話をしましょう。シンガポールは教育水準が高く、幼少期から読み書きなど熱心に教育を行っている国です。実際私もそのような環境で育ちました。4年前、シンガポール出身の4歳の男の子が入園してきました。6歳になったらシンガポールに帰って小学校に入る予定で、帰国すれば算数や中国語、多くの勉強が待っています。入学後、お母さんがオフィスに来るたび心配で聞くんです。「うちの子大丈夫ですか? 遊んでばかりいるけど大丈夫ですか?」って(笑)。

私は、「子どもの仕事は遊ぶことだよ、勉強じゃなくて遊びだ」って言い続けました。なんで遊びが大事かっていうと、コンセプトを理解する力が身につけられるから。

イートンではお勉強はしないけれど遊びという原体験を通して物事の本質をとらえる力を大事にしています。心配だったら家庭教師つけて家でやってくださいって伝えたんですね。小学校入って2年後、長いメールが送られてきました。学校に入って、先生から「この子は、知識はあまりないかもしれない。でも、彼の理解する力、理解してからできることがすごく早い」ってコメントをもらったのだそうです。

Foundation―物事を本質的に捉える基礎があるから、一つのことを習った時にいろんなものごとが結びつくんですね。言葉の意味もわからずただ覚えているのと違って、実体験の伴う理解なので、分かったときの理解の深さ、スピードが違う。ラーニングカーブが直線じゃなくて、ある時突然、ぐんと上がる放物線のような感じ。このように、その時は目に見える結果が出ないかもしれないけれど、長い目で見たら大きな違いがある。こんな風に卒業してから感謝されることがあるんです。

自分のときだってそうです。あの頃、学校で何やっていたか(勉強していたはずなんだけど笑)、当時の勉強ことなんてぜんぜん覚えていない。覚えているのは友達と公園で遊んだことで、大人になっても忘れられないのはそういう思い出ばかりです。



ツリーハウスづくりにガラス戸のアニメーション。どこでも遊び場に変えてしまう子ども達の発想力。

敷地内は奥に広く、建物を樹々が取り囲んでいて、ゆったりとした空間で子どもたちが基地を作ったり、焚き火をしたりと自然の中でのびのび過ごしています。今子どもたちが取り組んでいるのは、外にツリーハウスや遊び場を作ることです。既製の遊具を置くのではなく、自分たちで考えて手作りしています。廃タイヤをもらってきては木に吊るしたり、ハンモックをかけたり。

外もですが、子どもたちは、室内のこんな場所も遊びに変えてしまいます。家でやっていたら叱られてしまうかもしれませんが、玄関横のガラス戸にはホワイトのペンで描かれた絵が。実はこれ、実際に絵が動くアニメーションなんです。

二枚重ねになった、引き戸の一枚が動くと、絵がずれてお話が展開していく仕組み。子どもの発想ってすごいですね!



「子どもはなんでもできる」大切なのは子どもを信じ、大人はその環境をつくること。

私はどの年齢の子どもでも一人の人間としてリスペクトしています。やろうと思ったことは実現できる。だから大人の役目はそれを信じ、いかにその環境を作るかが大事だと考えます。これは、東京のプリスクール(保育園)での話ですが、イートンでは年に数回、子どもたちが学んだことを親の前で発表する「Output Day(アウトプットデー)」というものを行っています。

ある年の4歳児のクラスで、子どもたちが自ら発案してファッションショーの企画を行ったんですが、子どもたちは時間と環境を与えたらなんでもできるのを実感したプロジェクトの一つです。

ある絵本のお話を子どもたちがコスチュームを作って劇で演じたんです。これが終わった後、4歳の男の子が、「もっとコスチュームを作りたい! 僕はドレスが作りたいんだ!」と言い、みんなが賛同してファッションショーのプロジェクがスタートしました。身の回りにある布やビニール、紙などを使って作ったカラフルで個性的なドレスを、デザイナーの子どもが身に纏い、ペンギン姿のタキシードのボーイにアテンドされてランウェイ歩いていきます。この出る順番、どうランウェイを歩くかも自分たちで決めました。縫う作業も子どもたちが自分で行いました。ソーイングのスキルはないから、先に練習用のボードを作って練習することから始めたので、アウトプットデー本番まで数ヶ月を要しました。

はじめに、子どもたちにどんなドレスが作りたいのかと聞きました。「ウエディングドレス!」と口々に言うので、まずは両親の結婚式の写真を持ってきてもらいました。普通なら、ウエディングドレスが載った雑誌を買ってきてドレス作りの参考にするでしょう。しかし、イートンハウスが教育の中で取り入れているレッジョエミリアアプローチ*では、「コネクション(関係性)」を大事にしているので、私は彼らの最も身近な存在である両親を学びの素材に持ってきたのです。自分が知っている人、関係性の強い人からの学びです。

この時、ある生徒のお父さんがプロのカメラマンで、照明や撮影を担い、作ったものを発表するだけではなく、子どもたちと照明の当て方から動きまで、どう魅せるかを一緒に考えてくれました。

お父さん、お母さん、友達の親、近所の誰々さんといったコネクションがあることで、関係性が強い人からの学びは、子どもたちの心に湧き起こる「エモーション(感情)」がより強くなります。

そうしてわき起こる感情、その人への信頼感・安心感によって、子どもたちの学びや活動はより深く、のびのびと広がっていきます。



軽井沢は子どもたちにとって、コミュニティとつながった学びの環境。人と人との関係を活かした活動にも。

これは軽井沢で開校した後に感じていることですが、軽井沢という町は、人と人との関係性を活かした活動がしやすく、子どもたちにとって、コミュニティとつながったとてもいい学びの環境であるということです。例えば、外に遊び場を作るためにタイヤが欲しいなとなった時も、ちょっと友人に相談すれば、「自分の名前をあそこで言ったらもらえるよ」と言われて電話一本でOK!(笑)。

東京だったら公園借りるにも申請書や稟議や会議があって何ヶ月もかかるのに、ここでは時に電話一本で済むこともある。物事が決まるまでがとにかく早い。この場所へプロの音楽家を招いて、クリスマスコンサートを開くことだって、紹介でできてしまいました。先ほども言った通り、子どもたちにとってプロといっても全く知らない人ではなく、誰々のお父さんとなればそれを聴く態度にも変化が生まれます。より近い存在であることが、学びに大きく影響するのです。

敷地内の大きな木を活かし、月に1回外部講師を招いた「木登り講座」を開催。

*レッジョ・エミリアアプローチイタリアのレッジョ・エミリア市発祥の幼児教育実践法。自主性を重んじるプロジェクト活動や、その記録を写真や文章で残し掲示するドキュメンテーションによって、個々の意思を大切にしながら、子どもの表現力やコミュニケーション能力、探究心、考える力などを養うのを目的としています。1991年に”世界で最も優れた10の学校”に選ばれた学校が実践していたことから、世界的に有名になりました。

―最後に、アンリさんが、子どもたちと関わる中で最も大事にしていることはどんなことですか?

「子どもは何でもできる」ってことですね。子どもは大人と同じスピードではできないかもしれないけれど、時間をあげれば必ずできる。それに尽きます。

―イートンハウスの目指すもの。「子どもの自信を育む」ためには、実現できるかできないかよりもまず、「やってみようよ。Just try!」と、子どもの力を信じてくれる大人の存在が必要不可欠なのかもしれません。

アンリさんはインタビュー中、時々少年のような目をして語る姿がとても印象的でした。まるで、今日外で焚き火を楽しんでいる男の子たちのように。今後もアフタースクール、大人のスクールの他、2021年夏に、軽井沢と白馬でサマーキャンプを行う予定です。イートンハウス軽井沢の近くには、東京三鷹で展開する探究塾として有名な『探究学舎』のスタジオもあり、軽井沢の中でもここは教育ホットスポットとなっています。



[イートンハウスお問い合わせ]

Eton House 軽井沢 Learning Hub
電話 :03-6804-3322
Mail :enquiry.karuizawa@etonhouse.co.jp
所在地:長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉1690
*中部小学校から徒歩5分

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